■男性トイレに置く自治体も
奄美大島のほぼ中央に位置する大和村では、女性トイレだけでなく、男性トイレにも生理用品を置いていました。「経済的に困難を抱えながら子育てする父子家庭の父親が、娘のために生理用品を持って帰りやすいようにした。生理に対する知識や理解が男性にも広がるきっかけになれば」と担当者は話します。

■「対面で受け取るのは気が引ける」 窓口で配布するも利用は低調
多くの自治体が生理用品をトイレに置いている一方で、4市が窓口でのみ生理用品を配布していました。トイレにあるカードと引き換えに、窓口でまとまった数の生理用品を渡す方式です。「清潔なものを渡したい」「必要な人に確実に届けたい」「相談に結び付けたい」といった自治体側の事情があるようですが、利用者からは「対面で受け取るのは気が引ける」などの声が寄せられ、利用は低調。「困っている人をピンポイントで支援し、相談につなげたい自治体」と「困っていることを他人に知られたくない利用者」との間でミスマッチが起きているようです。
この現状に対し、フードバンクで活動する男性(65)は、「当事者は声を上げにくい。声を上げられず、あきらめる人もいる。誰もが遠慮なく、気軽に受け取れるような形にすべき」と指摘します。
