“バリアー”をすり抜け…
同研究センターがまとめた冊子「水銀と健康(第4版)」は「(人間の体に)吸収されたメチル水銀は血管を通っていろいろな臓器に分布します。血液ー脳関門や胎盤は、有害物質の脳や胎児への侵入を防ぐバリアーの役割をしていますが、メチル水銀は(必須アミノ酸の姿を装って)容易にこのバリアーを通過します」と説明。国の指導でも「妊娠されている方およびその可能性がある方」がリスク対象だとしています。
2005年、厚労省は摂取量の目安を発表しました。クロマグロ、メバチマグロ、金目鯛などは「1回約80㌘として妊婦は週に1回まで」、クロムツ、ミナミマグロ、ユメカサゴなどは「1回約80㌘として妊婦は週に2回まで」としてます。

さらに国内では少なくなりましたが、イルカやクジラを食べる習慣がある地域では、これらにも注意が必要です。食物連鎖の頂点を占めるイルカやクジラなどの大型哺乳類は蓄積する水銀量も格段に多く「1回80㌘として妊婦は2か月に1回まで」となっています。
一方でマグロのなかでもキハダ、ビンナガ、メジ、ツナ缶は「通常の摂取で差し支えない」ということ。ちなみに刺し身や切り身の一般的な一人前の量が80㌘で、寿司や刺し身は一切れはおよそ15㌘で計算するそうです。