多量に食べるリスクを知ろう
国の発表を受け、日本産科婦人科学会からも通達がありましたが、現状では「注意喚起するように」といったような学会のガイドラインは出されていません。国立大学法人浜松医科大学臨床教授で「俵IVFクリニック」(静岡市駿河区)の俵史子院長は患者への食事指導でも、魚介類に含まれる水銀に特化した話はしていないと説明します。
「魚には良質な栄養素が含まれています。理論的にはありうる話でも、極端な情報提供は返って不安をあおり逆効果です」と対応方針を語り、妊活、妊娠中の女性にはそれよりも重要な食への注意があると語ります。
「同じ食材、料理を続けて大量に食べないことです。例えば魚介類を生食ばかりすると水銀の蓄積以外にも食中毒のリスクが高まります。またレバーを多く食べるとビタミンAの摂取が多くなり胎児に悪影響を与えます。こうしたリスクを回避するために、摂取する栄養の幅を広げることが大事です」(俵院長)