マグロや金目鯛の身には…

金目鯛の煮付けは伊豆半島の名物として有名です

マグロや金目鯛といった魚は、身に含まれる水銀が他の魚介類より多いため、国は摂取量を制限するように呼びかけています。

1973年(昭和48)年に初めて、当時の厚生省環境衛生局が「暫定的規制値」を定め通達し、以降数回にわたり各自治体への指導が行われています。では、どうして一部の魚介類には多くの水銀が含まれているのでしょうか。

マグロの水揚げの様子

“水銀”は大型の肉食魚に蓄積⁉

魚介類に含まれるのは「メチル水銀」で、自然界の特殊な細菌により作られます。細菌が作ったメチル水銀はプランクトンに取り込まれ、それを小魚が摂取します。食物連鎖の上位に位置する金目鯛やマグロなどの大型肉食魚が小魚を食べることで大型肉食魚の体内に水銀が凝縮されるのです。

国立水俣病総合研究センターの調査では、アジの水銀濃度が0.03ppmなのに対し、カツオは0.17ppm、マグロに至っては0.97ppmとなっています。