息子は15歳で殺害されました。2009年、当時15歳の男子高校生が別の17歳の男子高校生に殺害された事件です。

のちに少年法が改正されるきっかけともなった、この事件の被害者である男子高校生の両親が、岡山市東区の環太平洋大学で講演を行いました。将来、教員を目指す学生に伝えたかったこととは。

「どうしてこんなことに」15歳で息子の未来は絶たれた

(光貴さんの母 大久保ユカさん)
「どれだけ頑張ってもあの子は帰ってこない。帰ってくることはできない。会いたくて会いたくて」

教育学部などの学生に向け講演をしたのは、当時15歳だった息子を殺害された両親です。

2009年6月、大阪府の河川敷で、当時高校1年生だった大久保光貴さんは、高校3年生の男子生徒(17)に頭などを木づちや木製バットで殴られ死亡しました。

当時の交際相手に一方的な好意を寄せていた男子生徒に、河川敷に誘われた光貴さん。

俳優を目指しアルバイトで貯めた資金でレッスンに通っていた光貴さんの生涯は、その時、絶たれました。

(光貴さんの母 大久保ユカさん)
「光貴が変わり果てた姿で帰ってきたのは翌日の夕方でした。『どうしてこんなことに』と何度も光貴をさすりながら話しかけました」

「その時です。左目から一筋の赤い涙が流れました。無言のはずの光貴がたった一度だけ私に訴えました。その涙は悔しい悔しい想像を絶する苦痛」