「人間の血を吸いたいのでついてくる」

では、トコジラミがいるのか、いないのか、分かる方法はないのでしょうか。田辺さんによると「必ずサインがあって、トコジラミが潜伏する場所には、必ず『血糞』という吸った血のフンで黒いシミのようなものがたくさんつく」といいます。もし血糞を見つけたら、その場所は、汚染されていると考えていいといえます。

気になるのが、もし、かまれたらどうなるのか。いまのところ、トコジラミを媒介した感染症の事例はいまのところ、報告されてないといいます。ただ、皮膚科の医師によると「かゆみや腫れが続くので、かまれたと思ったら速やかに病院へ行ってほしい」とのことです。

また、トコジラミをみつけた場合、どう駆除すればいいのでしょうか。「血を吸い、さらにカメムシの仲間なので、血の汚れと臭いに注意してティッシュに包んでからつぶしてほしい」(田辺さん)。ただ、一度増えてしまうと完全駆除には、時間も費用もかかるといいます。保健所や各地のペストコントロール協会に相談することをお勧めします。

最後に田辺さんはこう訴えます。「(トコジラミは)正直どこにいるのか、わからないので防ぎようがない。トコジラミ自体は不潔にしているからつくものではなく、あくまで人間の血を吸いたいので人間についてくる。どんなに家をきれいにしていてもつくときはつく。そこは勘違いしない方がいい」。さらに、「宿泊施設の方には、もしトコジラミの報告があれば、速やかに対処してほしい。そのまま放置すれば、立場が“加害者”になってしまう危険性がある」

かまれたくない、でも、防ぎきれない“ドラキュラ”のような害虫。人間とトコジラミとの、いたちごっこはまだまだ続きそうです。