ドジャースの10年愛…ラブコールは“3度目の正直”なるか

井上キャスター:
勝手に我々が振り回されているというところがありますが、よくいわれるのが、ドジャースはメジャー屈指の強豪です。ワールドシリーズを7回制覇、そして11年連続でプレーオフに進出している。

笹田さんによれば、ドジャースは「大谷選手への10年愛を貫き、今回で3度目のラブコール。本気度はすごい」。過去の2度はどんなことがあったのか?

まず高校時代です。高校1年生のときから岩手の大谷少年に目をつけていたドジャースは、GM補佐が獲得の意志を伝えるも、日本ハムにこのときは敗れたというか、日本ハムの道を大谷さんは選択しました。

メジャー挑戦のときは、大エースであるC.カーショー投手を面談に呼び寄せて口説き落とそうとしたのですが、結果、大谷さんはエンゼルスに渡ったと。

3度目の正直の今回は、どういったことを行っているのか。これも今出てきている情報ですけれども、12月1日にドジャースタジアムで面談したときは、スタジアムツアーを中止し、最上階にあるショップも休業しました。ファンを入れない厳戒態勢で、ここまでする必要は本来ないのですが、「すべては大谷さんのためにシャットアウトしたんですよ、あなたへのラブコールなんです」と。

加えて4番DHのマルティネス選手(メジャー通算315本塁打)に関しては、1年契約でまだ更新していません。大谷さんがもしダメになったときは「じゃあマルティネスさん、お願い」ということで残しているのではないか、ともいわれている。

ホランキャスター:
ポジションとして同じ役割を果たすのが、この4番DHということなんですね。

井上キャスター:
これについて、笹田さんは「大谷のためならいつでも空ける」というメッセージではないか、と話しています。こう考えるとやはりドジャースなのではないかと思いますが、そうでもないですか?

メジャーリーグ取材歴29年 笹田幸嗣さん:
ドジャースは自分たちのすべきことをちゃんとして、大谷選手へアプローチ、アピールしているということですよね。

DHというのは今、ベテランの野手が守備につかないことで、半分休みながら体調を整えるという意味合いのある使い方が非常に多い。イチローさんなんかは「DHに入ると休みと同じ」だと言っていました。それほど身体的に楽ということで、ベテランの野手がDHに入りながら、休みながらやっている。

そういう使い回しが多いのですが、実は2023年度シーズン、ドジャースはマルティネスさんを110試合DHだけで使っています。結果、33本のホームランを打ったわけです。いってみれば、DH専任の人を置いて、その人だけをずっと使い続けて、リーグ優勝を果たした。

その1年契約を延長しないのは「大谷さん、我々はこういうアプローチをとってきたんですよ、あなたのために。待ってます」。そういう意味合いです。