■支援行き届かない“空白地帯”に炊き出しの拠点作り

4月下旬、小川さんたちはあるプロジェクトに取りかかることにした。協力してくれるのは、国境沿い全域に教区を持つ、ギリシャ・カトリックの神父たちだ。冷蔵庫やガスコンロを神父が管理する施設に運び込む。

食事の炊き出しをするための拠点を、国境沿い150キロの範囲に5か所作るという。

さらに、戦争が広がる中で懸念されていたのは、避難生活の長期化だ。小川さんたちが向かったのは、スロバキアとの国境沿いにある避難所。

もともとは普通の雑貨屋だったが、店主が宿泊場所として提供した。キッチンもシャワーもない環境で、16人が2か月近く滞在していた。小川さんたちはここに冷蔵庫や洗濯機、医薬品、テレビ、食料などを運び込んだ。

小川真吾さん
「役に立ってるっていうのは嬉しいもんですね」

避難民が少しでも日常を取り戻せるよう、まずは住環境の整備を進める。

テラ・ルネッサンス 現地スタッフ
「ここがバスルームになって、こっちがトイレで、やっぱり給湯器、電気ボイラーは必要」

小川真吾さん
「ウクライナ国内で調達できますか?」

テラ・ルネッサンス 現地スタッフ
「また空襲(警報)だ」

一日に数回の空襲警報も、当たり前の日常になっていた。