東京から若者が「徳山おどり」を継承するためにやって来た!

ところが、5年ほど前から突然、東京から「徳山おどり」を継承するために訪ねてくるようになった人がいました。
鈴木雄平さんは、全国の盆踊りの愛好家で作る社会人サークルのメンバーです。ダムによって消えようとしている盆踊りがあるとネットで知り、その保存のため現地を訪れるようになりました。
(鈴木雄平さん)
「ふるさとがなくなるっていうのは、街で育った人間にとってはピンとこないけど、想像するだけですごくつらいことで。徳山には酒と唄と踊りしかなかったって(徳山村の人に)言われる。人が集まる度に誰かが歌い出したり、踊り出したりして、(徳山おどりを)やっていた。ふるさとはなくなったけれども、徳山おどりという、みんなが集まった時に、歌って踊れるものがあることが、唯一残されたふるさとの“よすが”なのかなって感じた」
踊りを覚えている人から教わり、夜な夜な練習する鈴木さん。
ついには「徳山踊り・東京支部」を作って、普及活動も行うようになったのです。
(旧徳山村村民 小西順次郎さん)
「はじめに10人来たんや、徳山おどりを教えてくれって。じじいが来るのかと思ったら、若い衆ばっかりやろ?『嘘やろ?』って言ったら『本当です』って。ご飯食べながらパソコンで徳山おどりを見ていて、食いながら踊りを覚えてすごいよ。うれしいわ。その後も『じゅんじい、じゅんじい』って(岐阜に)来てくれるしな。ありがたいなぁ」