「嫌な記憶の話は夜に出る」妊婦を見守るシステム

取材したこの日、入所者はいませんでしたが、翌日に“卒業生たち”がやってくるということでご飯作りに励むスタッフたち。おにわでは24時間体制でスタッフが常駐し、夜間も入所者を見守るシステムを作っています。

上間代表理事
「夜やっぱり動くので、嫌な記憶とか、忘れられない記憶の話は夜に出てくるので、ジャッジするんじゃなくて話したいなと思った時に聞く。話しているうちに整理できるんだなというのもあって」

心と体のケアのためスタッフは病院にも付き添い、精神科医や弁護士も支援チームに名を連ねます。

広くなった新しい施設では4世帯が過ごせる個室を用意。そこで心がけていることがあります。

上間代表理事
「入居している間はスタッフは入らないようにしているので、お掃除は日曜日に一緒にしますけど、基本的には入らない。バウンダリー(境界線)をはっきりさせることが大事だと思っているので」

「みんな自分のスペースを守り切れないで大きくなった子が多いというのがあったので、自分の場所は自分で整えるとか、自分のスペースには人は入ってこないということを体験してほしくて」

自分の人生を自分で選択できず、困難な境遇に置かれることが多かった妊婦たち。おにわでは支援する側の思惑だけで事が進まないよう、入所者本人の意向を尊重し、自身で未来を選択できる環境を作りたいと考えています。