<鑑定医の証言>

■ふだんの様子に精神障害なし
・問診は最短7分から最長85分、計21回の平均時間は49分
・被告に社会性障害、発達障害などなし
・うつ、そううつ、統合失調症などの既往もなし
・言動や認識に障害なかったとみられる

■被告の経歴や事件直前までの生活
・性格は、小学生まで怒りっぽく、衝動的
・地元の高校の電気科をトップクラスの成績で卒業
・大人になってからは、まじめで勤勉
・自動車関連など、複数の会社勤務
・2012年に実家に戻った後、就職活動はかどらず
・むやみに暴力はなかったが、トラブルになった姉は2021年に実家を出る
・2022年に母親が入院、事件時は父親と2人暮らし

川口被告の自宅

 ■事件前後の心理状態
・殺意を一貫して否認
・Aさんの風貌に強い恐怖感、恫喝され、強く逃げたい思い
・恐怖と怒りが入り混じっていたが、どちらかといえば恐怖
・最初にナイフで突き刺した後、大部分の記憶がない
・急性ストレス反応(弁護側も主張)の可能性
・ふだん使わない被告の言葉「イキッてんの?」からも伺える
・意識野の狭窄⇒注目しているもの以外に注意が向かない状態の可能性