そもそもなぜ副大臣に起用されたのか?
日比麻音子キャスター:
官邸で取材をする川西記者と中継が繋がっています。そもそもなぜ、9月の内閣の改造において、神田氏が起用されたのでしょうか?
TBS政治部官邸キャップ 川西全記者:
副大臣や政務官の人事は、各派閥が「こういう人にやらせてほしい」と推薦をして、それを官房長官が取りまとめる形で決定します。今回の人事も、いったん官房副長官が決めて、それを最終的に松野官房長官がゴーサインを出したと聞いています。
こういうやり方ですと、閣僚の場合は、総理が自ら一定の身体検査などを行って決めますが、それに比べて副大臣や政務官の人事はチェックが甘くなる要素があるのではと思います。

もう一つ、神田氏自身が税理士という肩書きを持っていて、財務金融方面での政策に携わる機会も多かったと聞いています。かつ、安倍派の関係者によると「本人も財務副大臣になりたいと希望していた」ということで、こういったことから選ばれたのではないかと見られています。
日比キャスター:
“チェックが甘い”ということですが、4度も差し押さえられる。あまりに不適切ですし、こういった重要な情報は把握できないものなのでしょうか?
川西 記者:
税に関わる話なので、なかなかチェックができなかったところもあったのだと思います。
一つは、官邸としても守りたかったところがあったのだと思います。内閣改造は9月に行われましたが、山田太郎前文科政務官、柿沢未途前法務副大臣の2人が相次いで辞めることになりました。次に辞めると3人目ということで、これではペースが早すぎるんじゃないか、こうした危機感が官邸サイドにありました。
もう一つ、官邸サイドとして、線引きではないですが、山田氏・柿沢氏は刑事事件に発展する可能性があったので、「これはまずいな」と思って辞めさせましたが、神田氏の場合“税金滞納”がすぐ刑事事件になるかというと、そうではないんじゃないか、という見通しがあったのも事実だと思います。

ホラン千秋キャスター:
刑事事件になる可能性が直ちになかったとしても、財務副大臣であること、それから税理士という税のプロでありながら、というところですよね。
ハロルド・ジョージ・メイさん:
やはり国民がどれだけ政府や政府関係者を信頼できるか、というポイントですよね。これはわかりやすいスキャンダルじゃないですか。誰もが「これは駄目だよね」っていうのは誰もがわかるわけで。コメンテーターとして困るんですよ。本来あればニュースの場合、両方の立場を話さないといけないんですが、もう呆れて物も言えません。