1億6000万円献金“全財産失った”元2世信者の怒り…高齢両親を夜間に呼び出し3000万円の返金で合意 難病の母は“混乱状態”で

献金の返金について、田中会長は…

世界平和統一家庭連合 田中富広 会長
「返金を要請された方々に対しては、現時点においても、ご事情を説明していただければ、誠意をもって対応させていただいているところでございます」

しかし返金を巡って、対応が不誠実だと憤る元2世信者がいる。鈴木みらいさん(仮名)だ。

元2世信者 鈴木みらいさん
「(会見は)デタラメだなというふうに感じました。私の思いを聞いてくれた教会の人たちはいませんでした」

みらいさんの両親は20年前、1億6000万円を献金し、すべての財産を失った

元2世信者 鈴木みらいさん
「10代後半だったんですけれども、たとえば教科書とかノート・学用品・交通費・携帯、自分の洋服とか美容室代とか髪・その他もろもろ、全部自分でバイトで賄いながら払っていた」

極度の経済的困窮を招いたという、1億6000万円の献金。2022年10月、みらいさんや、今も信者である両親は、全額の返金を教団に求めた。

しかし教団は、夜間にみらいさんの両親を本部に呼び出し、3000万円で合意するよう求めてきたという。

そのとき、両親からかかってきた電話の音声がある。

元2世信者 鈴木みらいさん
「1億6000万円返金でしょう」

元2世信者 鈴木みらいさんの父
「いま話し合いの中で途中なんです」

元2世信者 鈴木みらいさん
「全額返金請求じゃないの?」

元2世信者 鈴木みらいさんの父
「家族の一致としてはそうですね」

元2世信者 鈴木みらいさん
「その3000万円がどこから出て来たのよ」

元2世信者 鈴木みらいさんの父
「詳しいところまではわからないですね。教会としては3000万円ということで」

元2世信者 鈴木みらいさん
「全額返さないってどういうことよ。きょうサインしないでね。決めないでね。

今までお母さんたちが(私より)教会を取ってきた姿をみて傷ついてきました。小学校1年生ぐらいのときからあるけどね」

両親は高齢で、母は難病を抱えている。返金を巡る交渉は、3時間以上にわたった。

元2世信者 鈴木みらいさん
「お母さん今さっきさ、電話で疲れたって、手が震えて、あまり考えが整理できないって言って、その混乱している状態で決めるの?

今日もう帰ったら?なんでこんな平日の夜中にお父さんとお母さんを呼び出しているのか、私はわからない」

元2世信者 鈴木みらいさんの父
「すみません、ちょっと足つってきた」

元2世信者 鈴木みらいさんの母
「パパと話をして、これで決めようと思っているので。ちょっとパパが動けない状態になってしまったので。きょうはこれでおしまいにしますので、おやすみなさい」

元2世信者 鈴木みらいさん
「サインしないんだよね、今日?(両親が電話を切る音)…切ったよ」

この日両親は、3000万円の返金額で教団と合意をしたという。

そして数日後、母からみらいさんへ一通の手紙が届いた。

元2世信者 鈴木みらいさんの母の手紙
「献金を捧げたのは、真の父母様が再臨主だと確信したからです。献金を捧げる事ができて、本当に良かったし、感謝しています」

元2世信者 鈴木みらいさん
「本当に家庭を壊す宗教だなというのは、私は感じています」

私たちは、みらいさんの一家に対する返金の経緯について適切だったかなど教団に質問したが、「悪意報道を目的とした取材にはお答えしかねます」と回答しなかった。