生きたまま人の体内に入ると食中毒を引き起こす寄生虫「アニサキス」
近年、患者が急増しています。
一体どのくらいの激痛で、なぜ痛いのか?予防するポイントなどを解説します。
■「アニサキス」被害が急増 想像を絶する痛みと吐き気
良原安美キャスター:
近年アニサキスによる食中毒が急増しています。アニサキスとは寄生虫の一種で、長さが約2〜3センチ、幅は約0.5~1ミリと目で見える大きさです。サバやサンマ、カツオやサケ、イカなど魚介類の内臓に寄生していて、アニサキスが生きたまま食べると食中毒を引き起こしてしまうということです。

そして2021年の食中毒の発生件数を見てみますと、一番多いのが▼アニサキス(344件)続いて、▼カンピロバクター(154件)、▼ノロウイルス(72件)となっていますが、2位のカンピロバクターよりも倍以上の344件ということです。
このアニサキス食中毒はどれぐらい痛いのか、そしてどうすれば防ぐことができるのか見ていきます。
まずは「どんな症状か」です。Nスタの30代の男性スタッフがアニサキス食中毒を2回経験したということで話を聞きました。1回目のときは、2015年のお正月に祖母お手製のしめさばを孫で集まってみんなで食べたところ、翌日の昼にNスタスタッフだけアニサキスの食中毒となってしまいました。どんな痛みだったかというと、「断続的な激しい腹痛」に襲われたということです。
そして2回目は2019年6月。夫婦で小料理屋さん行き、刺し盛りを食べたところ、またしてもNスタスタッフだけがアニサキスの食中毒となってしまいました。吐き気、激しい腹痛に襲われて、2回目だったので、これはアニサキスだとすぐわかったということです。

井上貴博キャスター:
2回目はお店で出されたものを食べてですよね?
良原キャスター:
お店のものだったそうです。そして、刺し盛りに入っていたイカではないかということも病院のお医者さんに言われたということです。
どんな痛みだったのか聞いてみたところ、「胃の内側をアイスピックで突き上げられるような痛み、人生で一番苦しかった」ということです。
そして取り除くためには内視鏡を飲み込まないといけないので、内視鏡もとても痛かったということです。このNスタスタッフはお刺身が大好きでしたが、「それ以来怖くてなかなか食べられなくなった」とも言っていました。
では、痛みの正体ですが、アニサキスの先端がちょっとだけ尖っていて、ナイフのような突起物となっています。

東京海洋大学の嶋倉邦嘉准教授によりますと、「胃の壁にアニサキスの突起物が刺さる痛みがある」そうで、それをNスタスタッフは「アイスピックで刺されるような痛み」と言っていたわけです。
井上キャスター:
でも、アニサキスは昔からあるもので、むしろその新鮮なまま生で食べられる日本の食文化ゆえのものとも言われています。
「食べチョク」秋元里奈 代表:
私の知り合いがお寿司屋さんでアニサキス食中毒になったんですけど、一部ですけどそういう話を聞くと怖いなっていうのは思いますね。本当に経験された方は苦しさを知っているから、好きなものでも食べられなくなるっていうのはあるんでしょうね。
ホラン千秋キャスター:
(1匹の魚介類に)10匹から20匹のアニサキスがいると聞いたので結構恐怖ですね。
井上キャスター:
過剰反応しすぎるのもよくないですね。でも、プロでも100%見つけることは難しい。