■加熱や冷凍は有効? 「アニサキス食中毒」の予防法は?

良原キャスター:
では予防法です。実は、お酢ですとか、塩漬け、醤油、わさびなど調味料や薬味で死滅することはできないんです。どうすればいいのかというと、まずは▼鮮度を徹底させること。新鮮な魚を選んで速やかに内臓を取り除くと良いと言います。さらには▼目視で確認すること。大きさが2センチ~3センチで目で見えるので、発見したらしっかりと除去することが大切となります。さらに、▼加熱、▼冷凍が有効です。加熱だと70℃以上、または60℃なら1分の加熱する。冷凍はマイナス20℃で24時間以上ということです。そしてより安全に食べるためには▼細かくたたく。なめろうのようにアニサキスをたたきつぶす。お刺身とかですと、しっかり噛むことも大事になります。

さらに、島倉准教授によりますと「魚を食べる前に、お米などを食べておくと、胃の中でアニサキスの動きが鈍って腹痛が起こるリスクを減らせる」ということです。

■がん細胞の方へ動く? アニサキスでがん治療

良原キャスター:
知れば知るほど怖いアニサキスですが、実は「がんの治療」に役立つということがわかってきています。

実は研究の結果で、「がん細胞の"におい”がする方へアニサキスが動いていくことができる可能性」がわかっているということです。

そんな中、大阪大学大学院基礎工学研究科の境慎司教授が、がん細胞にダメージを与える物質を混ぜた薄い膜でアニサキスをコーティングすると、培養液内のがん細胞を死滅させることに成功したということです。

お話を聞いてみますと、「体内に入れたときの痛みをなくす技術などの開発はまだまだ必要だが、がんの発見・治療のためにアニサキスを飲む日が来るかも」ということです。

井上キャスター:
悪役でしかなかったアニサキスを使えないかって研究してらっしゃる方がいらっしゃる。

「食べチョク」秋元里奈 代表:
すごいですね、痛ささえ克服できればっていうことなんですね。何とか使えないかって考えるっていうのは素晴らしいなと思います。