インフルエンザの猛威が止まりません。東京都が発表した最新の感染状況は、先週からは減少傾向となりましたが、医療現場では、深刻な事態が起こっています。
倉持医師「医者になって25年、こんなに物がないってことを経験したことがありません」
井上貴博キャスター:
連日、インフルエンザについてお伝えしていますが、コロナ禍の反動で流行はしている。その中で薬がどういう状況なのか、というところに絞ってお伝えしていきます。

〈東京都 1医療機関あたりの患者数〉
・2019年度 23.19人
・2023年度 16.99人(10月30日~11月5日)
※東京都HPより
コロナ禍の3年間でインフルエンザはゼロに近かったので、免疫がなくなって、広がりが速いというのが今年(2023年)の特徴です。

各医院の様子についてです。
山梨県甲府市の「大沢医院」(10月)では、インフルエンザなど感染の疑いがある患者について、駐車場で検査や診察を行うという状況になっているようです。
「いとう王子神谷内科外科クリニック」では、11月9日午後4時現在、インフルエンザの検査キットが残り4個という状態だそうです。
〈院内処方 入手困難な医薬品はあるか?〉
・ある 90.2%
・近畿 ある 93.7%
・関東 ある 91.9%
※回答:2989 2023年9月末まで 日本医師会資料より
地域によってもかなり差はあるようなんです。
近畿では、94%弱、関東でも92%弱と、医薬品が手に入らないという状況です。
今回、リモート出演の倉持医師は…

インターパーク倉持呼吸器内科 倉持仁 院長(11月8日、X・旧ツイッターに投稿)
「医者になって25年、こんなに物がないってことを経験したことがありません」
国も動いています。需要と供給のバランスが乱れているということで…

武見敬三 厚労大臣(11月7日)
「咳止め薬などの増産について、さらなる増産を、医薬品メーカー24社に要請した」
ある意味、政府として直談判を行っています。
そして、厚労省は8日、子ども向けのインフルエンザ治療薬について、過剰に注文することや買い占めをすることなど、各都道府県に控えるよう呼びかけを行いました。
コロナ禍でも同じような状況が起きていました。
●2022年2月には、抗原検査キットが全国で足りない状況になり、メーカー側に対し増産を要請しました。
●同年7月には、解熱鎮痛剤カロナールが不足し、医療機関や薬局に買い占めを控えるよう呼びかけをしました。
繰り返し、同じようなことが起きているというような状況なわけです。