やはり「つながりを求めて」始まりは産前産後の母親支援
「こそだて支援comono」では現在、妊娠中や産後1年までの母親のいる家庭に、週2回、1食500円のお弁当を、注文に応じて宅配しています。また、週1回、助産師が訪問しています。3年前、新型コロナ流行で、児童館や親子サロンが休止、閉鎖されていた頃、自身も子育て中の兒玉さんが「産前産後は外に出る機会も少なく、孤独を感じることが多い母親が、気軽に利用できて、人とつながれる、何かないか」と考え、お弁当の宅配を思いついたといいます。

宅配の弁当作りは狭山市とその周辺の飲食店が協力しています。以前、宅配に同行取材した時、お弁当を届けた先の母親が、困っているというほどのことではないけれど、誰かとちょっと話ができたり、育児についての情報が得られたり、助産師さんのアドバイスのおかげで少し安心した気分になっていました。お弁当をきっかけに、ゆるーい「つながり」が生まれているんです。
弁当宅配で生まれたつながり
「つながる市」のほうには、飲食やスイーツなどのお店のテントやキッチンカーが並びましたが、そのうち5つは、普段から宅配のお弁当作りで協力しているお店でした。
その一つ、狭山市内で狭山産の野菜にこだわったお弁当作りをしている「おひさまや」さんで話を聞いていると、お客さんがやってきました。産前産後の弁当宅配を現在利用している母親だということで、お話を伺いました。
弁当宅配を利用する母親
「宅配を頼んだ日は、ご飯の準備を考えずに、子育てに専念できるんで、すごくありがたいです。普段は、お弁当を作ってくださる方のお顔は直接はわからないの。お礼を伝えることがうれしいです」
週1、2回、ご飯を作らなくてもよいというだけでも子育てに心の余裕が生まれるそうです。

「おひさまや」の隣は川越市にある、キッズスペースのあるカフェ「toi toi toi」です。
カフェ「toi toi toi」スタッフ
「宅配の時期が終わった家庭の方たちが、実際に大きくなった子供を連れて、お店に来てくれたりしてうれしいです」