『HSC子育てを知ってほしい』親子がつくる小さな本箱
書店にやってきた親子。小学6年生の岡本逸希くん(12)と、母親の岡本綾菜さん。母親の綾菜さんが去年10月から箱主をしています。
こちらの本箱の名前は「おかか書店」。
(岡本綾菜さん)「息子のニックネームが岡本からとって『おかか』なので、その名前をもらいました」
おかか書店に並んでいるのは「HSC子育て」「何かほかの子と違う?HSCの育て方」など。
(綾菜さん)「HSCの子育てに関する本とか、自分が読んでためになったなという本を置いています」
HSCは「ハイリー・センシティブ・チャイルド」の略で、「人一倍敏感な子」と訳されます。音や匂いといった感覚や人の気持ちに敏感な子どものことで、学校など人の多い場所では生きづらさを感じ、不登校になってしまうこともあります。逸希くんもその1人です。
(綾菜さん)「小さいころからドラマや映画の内容で自分のことのように泣くとか、叱られている人を見るのが耐えられないとか、『この人は今こういうこと考えているんじゃないか』っていうアンテナをずっと張っている感じがする」
逸希くんは、教室の騒がしさや叱られているクラスメイトの姿を見ることなどが精神的な負担となり、小学3年生の終わりから学校を休みがちになりました。現在は週2~3回付き添い登校をしています。
去年10月から始めたおかか書店。この本箱に影響を受けたという人がいます。
(岡崎智子さん)「不登校についての会には参加したことはあったんですけど、ちょっと違う感じがした。綾菜さんの本を読ませてもらったら、『うちの子もこう』『こういうことやわ』って腑に落ちることがあって」
2人にとって、会うたびに近況を報告し合うのが大切な時間だといいます。