転回をしている最中に「ドン」と

本来は、山車の後ろ側からロープを引っ張って、ゆっくり坂道を下りる手はずが、当日はその形にはならず、山車は勢いよく坂道を下り、横転しました。引き手の男性はこう続けます。

「本当なら、転回して、後ろに綱を後ろから引っ張って、ゆっくり下ろす手はずだった。転回している最中にワーッと来た感じだった」

Qロープは2本とも坂の下に?
「転回する時は、(方向転換役の)消防団の人が『離してください」』というので、引き手は綱から手を離して、転回は消防団の人がやってくれるので、それを待っている状態、坂の下で。転回している最中にバランスを崩したのか、ドンと」

Q何で落ちたのか?
「道路って、わりと山なりになっている。頂点から下ったところに寄りすぎていたか。山車は1トン以上ありますからその重みで、転回するときに『てこ棒』を5~6人くらいでやってたんですけど、その勢いのまま行っちゃった。ハンドルを切ったまんま、下りてきちゃった。最初に左の方へ行き、慌てて右の方へハンドルを切り直したんでしょうね。右の方に車輪の跡が曲がってましたから、右の前の方から突っかかるように、横転した」

関係者によりますと、山車を坂の上で方向転換する際にロープは坂の下に伸ばされ、引き手はロープから手を離していました。そして、消防団中心に「てこ棒」を使って向きを変える作業中に、山車がバランスを崩したといいます。

「大回りしてるの。やっぱりこう被ってるね」

現場の路面に事故の衝撃でできたとみられる傷跡

歴史ある祭りで、初めて起きた山車の横転事故。山車を操作する消防団のリーダー、さらに引き手を経験するなど、長く祭りに携わってきた住民の男性(74)は、地元の山車で犠牲者が出た事故に悔しさをにじませます。