突然起きた“異変”

3連休が始まった11月3日朝、伊豆の国市田京で祭りの山車が坂道で横転しました。運行に携わっていた男性(72)が胸から腹部を強く圧迫され、死亡。山車の上から転落したり、巻き込まれたりして、5人が骨盤骨折などの重傷、小学1年生の児童1人を含む13人が軽いけがをしました。

山車の引き手として参加した75歳の男性は、運行に違和感を感じながら、坂の上から山車に近づいた時、“異変”が起こったといいます。

「上から1人で見ていて、方向転換もチンタラやっているから眺めていた。『大丈夫かな』と思ってね。それで(引き手が)みんな坂の下に行っちゃったから、おれも下に下っていた。そうしたら、何か音がしたんだ。『キーキー』とか、『ドスン』なんてしたから、とっさに山側に倒れただよ。横を見たら2人いて、血を流している人もいるし、自分はどうかと見たら、血が出ているし、ひざの上も痛みを感じたもんで」

右手から出血したものの、軽傷で歩いて帰宅できた男性。ただ、山車や自分に何が起きたのか、まったく覚えていないといいます。

この異変の様子を、山車の前方にいた引き手の男性が証言しました。

「ただ、あそこの坂ってわりと短いんですけど、急なんです。出だしが。だから、あまりにもワーっと来たときから横転するまで短い時間だった。2秒か、3秒くらいの間にクックッっと」

Q最初に前につんのめるように倒れて、横に倒れた?
「車でいったら、左の前輪を軸に、右の角が斜面にドンとぶつかって、お尻が前に出ていくように横転した。ですから、上でしゃぎりを打っていた人は、投げ出されるように前へ飛んでった感じだった」

Q山車は亡くなった男性が引いていた側に向かって倒れていった?
「そうです」