「東大諦めたら負け犬」成績下がり自暴自棄

高校1年で同級生約400人中、10番台だった成績。2年になると右肩下がりで落ちていった。9月のテストは100番前後で「愕然とした」という。三者面談で担任から、文系への転向も含めて進路の変更を勧められた。

被告:妥当だと思ったけど、周りに理三を公言していたので、ここでやめると周りから馬鹿にされる心配があった

(画:三影祐水)

追い打ちをかけたのは、失恋だった。高2の11月に「勉強から離れたいという気持ちも出てきて」同級生に交際を申し込んだ。

被告:テストの勉強をちゃんとしなさい、とフラれた
弁護士:その人と別れた後は?
被告:小一時間、泣いていました

自殺を試みたが踏ん切りがつかなかった。「社会で必要とされない悪人になれば、罪悪感があれば、自責の念にとらわれて、死に切れるんじゃないか」。通り魔的に人を殺害し、東大の象徴である安田講堂前で割腹自殺をしよう、と犯行に及んだ。失恋から約2か月後のことだ。

検察官:死ぬくらいなら「理三」を諦めようと思わなかった?
被告:ならなかったです
検察官:なぜ?
被告:ここで負けたら、負け犬というか。プライドというか。バカにされるという臆病さ、不安があった。
検察官:仮定の話だが、告白を受け入れられていたら自殺願望は?
被告:うまくいった場合は、なかったと思います