「二宮金次郎みたい」が一転、父親を見下す発言も

4人きょうだいの長男。小さな頃からマンガを描くことが好きで、おとなしい子だった。両親は“教育ママ・パパ”ではなかった。

父親:自分も学歴が高いわけではなく「勉強しろ」と言うことはなかった。友達と遊んで健康でいてくれればいいなと

2歳下の弟は不登校、末っ子の妹には障害があった。家事を手伝い、弟や妹の面倒をよく見る被告は、両親にとって「最も手がかからなかった」という。家族や親戚に医師はいない。テレビ番組で海外で医療支援を行う医師の姿を見て、憧れを抱くようになった。

被告:貧しい、困っている人に対し、うしろを顧みずに人を助けている姿、それを好きでやっている姿に敬意を表した

父親は中学の担任から「二宮金次郎みたいだ」と言われたのが印象に残っている。リュックを背負い、本を片手に読みながら登下校していた。中学の部活は吹奏楽部。しかし高校では部活に入らず、わずかな休み時間も机に向かい、友達と遊ぶことはなかった。好きだったマンガも絶ち、SNSもやらず、深夜まで猛勉強する生活。次第に考え方は凝り固まっていった。 

父親:偏差値や職種で人を見たり、自分のことも下にみている風があったりした。
検察官:お父さんを下にみている風とは?
父親:息子にものを言うと「そういう大学を卒業しているくせに」「そういう大学を出ている人の言うことは聞かない」と