「日本にストローをさした。ずーっとお金を吸い上げ続けられる」

旧統一教会には日本人からお金を吸い上げるための献金システムが確立されている。
韓鶴子代表をトップとした教団本部が韓国にあり、その下に日本とのパイプとなる総会長がいる。総会長の下に日本の会長。その下に日本の各教会をエリアごとに管理する教区長がいる。今回インタビューしたのは元教区長の韓国人男性だ。彼は90年代、布教活動のつもりで日本に来たはずだった…。

旧統一教会 韓国人元教区長
「これはなんだ…と。私は牧会者(牧師)として日本に来たのに、まるで集金係じゃないかって…。(中略~日本の信者の献金額は韓国の信者と全く違った)この教会の献金ノルマを決めたから、いついつまでにノルマを達成しろ…ひたすらその連絡が来るんです。信者の給料では賄えない程の献金ノルマが課される。結局借金して献金する、そんな状況を目の当たりにして“あんまりだ”“間違ってる”って思った」

献金の名分は、日本がかつて韓国を迫害し強奪したから罪滅ぼしを子孫がすべきという教団独自の論理だ。だから韓国の信者に比べ法外な献金を日本人がするのは当然だという…。
献金させるには日本人の先祖を敬う気持ちも利用したという。

旧統一教会 韓国人元教区長
「先祖の問題を引き合いに恐怖を与える。日本人の大半は恐れたり“そうか”って納得したりする。日本人の特性をうまく利用してきたんです。文鮮明氏は若い時にそれを把握していたんだと思います。だから日本にストローをさした。ずーっとお金を吸い上げ続けられる。“こりゃ随分吸えるなぁ”って…」

番組が入手した内部資料からは教区ごとの献金ノルマの達成率がランキングされ、それは教団がコンプライアンス宣言をした後も続いていたことが伺えた。この献金ノルマは誰が出しているのか…元教区長は胸を叩き涙を流しながら、私たちにこう答えた。

旧統一教会 韓国人元教区長
指示は総会長から下ります。総会長は常に韓国人です。日本人はなれません。結局指示は全て韓国から下るんです。日本人はただついていきます。(中略)どれだけたくさんのお金が韓国に渡ったでしょうか。全て文鮮明たちの私利私欲に使われた。…私が献金を促した人たちに本当に申し訳ない」

この献金システムがある限り、日本で解散命令が確定しても何も変わることはないと語った。
ということは、これからも被害者は出続けるということか…。

北海道大学大学院 櫻井義秀教授
「被害者は今後も出続けると思います。任意の宗教団体から入る人もいるし、献金させられる人もいるし、関連団体からも…そういうルートが残ってるわけです。なので被害者は出続ける。
結局、旧統一教会っていうのはこの大きな組織に乗っかって日本を金の成る木として利用している韓国の幹部とかあるいは日本の幹部信者もいる。彼らはこのシステムが無くなったら食えないわけです。だから何としてでも維持しようとする。そのために一般の信者たちを駒として使うという構造がある。これが旧統一教会の一番の問題だと思う」

(BS-TBS 『報道1930』 10月24日放送より)