「小鳥を捕る仕掛け」から思いついたすしカバー「鮮度くん」

―――くら寿司といえば、すしカバーの「鮮度くん」をまず思いつきますが、田中さんが考えられたとか?
 そうです。ちょっと持ち上げるとすぐすしをとることができますし、衛生的です。思いついたのは、小鳥を捕る仕掛けからなんですよ。ざるに棒を立てて中にエサを置いて、鳥がエサを食べにきたらパッとひっぱって、ざるを落として小鳥を捕るという仕掛けが「鮮度くん」の原理なんです。5皿に1回、景品が当たるチャンスがある「ビッくらポン!」も私が考えました。

ビッくらポン.jpg

―――「ビッくらポン!」は、どんな発想からだったのですか?
 テーブルの上に食べた皿を積み重ねていると、女性の場合、「こんなに食べている」という視線が気になるという意見があって、「これは絶対に改善せにゃいかん」となった時に、水を流して皿を回収しようと考えました。それと、お客さんがすしの跡が残った皿をテーブルの上に置いていると、在席時間は約40分前後ですから米がこびりついてなかなか取れないので、すぐ回収するメリットもありました。

―――なるほど!
 流している水の中に皿を入れてもらったほうがクリーニングがしやすいんですよ。そこで水を流して回収を始めたら、小さいお子さんがそこに皿を入れるのが好きだということがわかったんです。「小さいお子さんは、こういう単純なことが好きなんだ」と。そして生まれたのが、「ビッくらポン!」です。子どもが皿を入れるのが好きだったら、皿を5枚入れたらゲームができるようにしたらもっと楽しいんじゃないかと。