事件後、初めて判明した被告の障害

 裁判の争点は、2点ありました。
 1つは、減刑が認められることもある「自首」が成立するかどうか。被告は、事件後、自ら消防に通報し、救急車を誘導する素振りも見せています。

旭川地裁

 弁護側は、被告は「119番通報すれば、警察にも連絡がいくと思っていた」と供述していたことから、自首は成立すると主張。
 一方、検察は「消防は捜査機関ではない」などとして自首は成立しないと反論していました。

検察は自首は成立しないと反論

 もう1つの争点は「量刑」です。
 事件後の正嗣被告は、鑑定で「軽度知的障害」「広汎性発達障害」と診断されています。こうした障害が犯行に影響を与えたかどうかが争われました。

弁護側は障害が犯行に関与したとして情状酌量を求めた

 正嗣被告に、こうした障害があることがわかったのは、この事件後の診断が初めてです。
 鑑定した医師は、被告について、障害の影響で、他者の言動を曲解する傾向にあり、コミュニケーションがうまく取れず、仕事も長続きしないなどストレスの原因になったものの「犯行は障害の影響ではなく、本人の性格によるもの」と証言しました。
 これに対し弁護側は、障害が犯行に関与したなどとして情状酌量を求めていました。