去年8月、当時61歳の父親を包丁で刺殺したとして、殺人の罪に問われていた北海道深川市の28歳の男の裁判員裁判で、10月23日、旭川地裁は、男に懲役11年を言い渡しました。
公務員を定年退職したばかりの父親と、仕事が長続きせず、事件当時は無職だった男。
一軒家に2人で暮していた親子の間に何があったのか。
裁判の記録からは、男が抱えていた生きづらさの背景が見えてきました。
父親の傷は18か所、死因は失血死
事件があったのは去年8月。深川市の住宅で、無職の工藤正嗣(まさし)被告(28)は、同居する父親・隆俊さん(当時61)を、台所にあった刺身包丁で刺して殺害しました。

隆俊さんの傷は、右腕や腹など18か所におよび、隆俊さんは、正嗣被告が自ら呼んだ救急車で病院に運ばれましたが、死亡しました。失血死でした。