「#母乳売ります」…こんな書き込みを見たことがあるでしょうか。SNSを中心にネット上で母乳の売買が行われているのです。一方、母乳を本当に必要としている人がいます。さまざまな事情でお母さんの母乳が得られない、そんな小さな命を助ける“母乳バンク”の活用が、富山でもようやく始まりました。

「#母乳売ります」「50cc 2500円」
SNSに並ぶ見慣れない文言。ネット上で母乳を販売する女性たちとみられます。
厚生労働省は2015年、こうした母乳を子どもに与えるリスクを指摘し、注意を呼びかけました。しかし、多くのアカウントにはあわせて女性の下着などの画像が…。
母親や子どもに向けて売っているのではないとみられ、現在でも、こうした投稿は増えています。

命を守るために…母子に届ける「母乳バンク」
一方で、母乳を本当に必要としている場所があります。新生児集中治療室・NICU。1500グラム未満で生まれた小さな赤ちゃんたちのベッドが並んでいます。


富山大学附属病院・猪又智実医師
「こういう形で冷凍母乳が入っている。ドナーミルクがある時はこういうところに別に入れて、仕分けるような形にして使っている。(赤ちゃんが)非常に命に関わるような状態を起こす可能性が少なからずありますので、それに対してよりリスクの低い母乳をなるべく使ってあげたい」
富山大学附属病院はことし、母乳が得られない赤ちゃんにほかのお母さんの母乳を与える「母乳バンク」の利用を始めました。
母乳バンクとは
母乳バンクとは、ドナー登録したお母さんから「ドナーミルク」として母乳の提供を受け、全国のNICUなどに届ける仕組みのことです。
母乳バンクは、日本財団母乳バンクと日本母乳バンク協会の2つの法人がそれぞれ運営をになっていて、拠点は計3か所です(日本橋母乳バンク・日本財団母乳バンク・藤田医科大学病院日本財団母乳バンク)。その拠点でドナーの母乳を殺菌、冷凍保管して、使用登録をした医療機関に提供しています。
