「ドナーミルク」に救われた母子
ドナーミルクを必要とするのは、主に、1500グラム未満で生まれた極低出生体重児です。愛知県に住む村井朋子さんも、3年前、娘の佑凪ちゃんを予定より3か月早く出産した際、ドナーミルクを使用しました。


村井朋子さん:
「816グラムで生まれて、NICUに入院していたんですけど、最初なかなか母乳が出ないので…やっぱり自分の母乳をあげたい気持ちはすごいあったんですけど、でも子どもに負担はかけられないので頼るしかないなって」

早産などで生まれた小さな赤ちゃんは病気のリスクが高く、特に腸が未熟な状態です。そのため、腸を守る機能がある母乳を与えることで病気の予防につながり、命に関わる「壊死性腸炎」の発症率は半減するという研究結果もあります。
また、早産の場合は母乳の分泌が遅れてしまうことも多く、さらに、病を抱え、抗がん剤などを投与していると自分の母乳を与えられないのです。
村井朋子さん:
「やっぱり未熟児で産んでしまって、子どもに対する不安がたくさんあるなかで、精神的にも結構やられた状態になるので、そのなかで母乳も出なくてってなると、さらに悩み事が増える。でもドナーミルクがあることで、母乳はそれに助けていただけるだけでも本当に精神的にも楽になるので、抵抗とかは感じずに、安心なのでドナーミルクが普及していってもらえればいいなと、私は思います」
ドナーミルクの利用者は、2022年ごろから急速に増えているといいますが、現在、利用できる病院は全国89にとどまり、富山県内では富山大学附属病院のみです。