近いとされているイスラエルによるパレスチナ自治区ガザへの地上侵攻。イスラエルメディアは「地上作戦の準備が完了した」と伝えていて緊張が高まっています。
迫る“地上侵攻” 家族を連れ去れた男性「人命を優先してほしい」

日比麻音子キャスター:
「イスラエルによる地上侵攻が間近である」と伝えられています。
ガザにおいては、22日も街で火の手が上がっていた状況だったわけで、地上侵攻はまだということなんですが、既に空爆などは続いている状況です。
イスラエル軍の報道官(21日発表)によると、「ハマスへの攻撃を強化する」ということで、イスラエルメディアは「地上作戦の準備が完了した」とも伝えており、緊張感が高まっています。
では、ガザ地区から約1.5kmの「スデロット」という場所に、増尾聡記者がいます。増尾さん、状況を伝えてください。

増尾聡記者:
この中継を準備している15分の間にも、何度も何度も爆発音がして、イスラエル側からの空爆が続けられていると思われます。
先ほど、大きな爆発が3発連続でありました。光が見えて、大きな音、その後に煙が非常に大きく出ているのもわかりました。空爆が続いています。
イスラエル軍は21日、次の段階に入るため攻撃を強化するとしていましたけれども、22日は370の拠点に攻撃を加えたとしていまして、地元メディアは戦闘開始以降、最も攻撃が激しい1日だったとしています。
イスラエル軍は引き続き、北部の住民に南部へと避難するよう勧告していますが、22日夜はその南部にも攻撃がありました。
地上侵攻について、イスラエル国内では引き続き、いつ始まってもおかしくないという雰囲気が漂っています。
ホラン千秋キャスター:
家族が人質として連れ去られてしまったという男性にお話を聞いているということですけれども、この後地上侵攻が始まると、連れ去られてしまった人質の皆さんも巻き込まれてしまうような状況になりかねない。
となると、そのご家族は、今どういうお気持ちでいらっしゃるかというのは伺うことできましたか。

増尾聡記者:
非常に複雑な思いを持たれていました。
人質となっている方々は、このガザにまだ捕らえられていますので、地上侵攻が始まるとなれば、状態については一層不安定になることは確実です。
この男性については、人命を優先してほしいというふうに強く訴えていました。
ただ一方で、ハマス側が人質の解放の見返りに、即時停戦の条件を示していますけれども、イスラエル側は消極的なわけです。
また、国民の間でも、やはり地上侵攻はするべきなんだという意見が根強くありますので、人質にされた家族の声というのは、かき消されているような、そんな印象も覚えます。