生きる道が閉ざされたような感覚に陥ったといいます。
「こんな情けない人生を送るのなら死んだ方がマシだ」「生まれて来なければよかった」と思ったこともあったそうです。
決して仕事が嫌いというわけではない、むしろ看護師という仕事が好きで、働いていて誇らしいとも感じていましたが、だからこそ、思うように自分が働けないことへの歯がゆさや情けなさを感じ、その気持ちが大きく膨らんでいきました。
安井裕貴さん
「看護師を目指した理由でもある、人の役に立ちたい、世の中の役に立ちたいという気持ちが過度だったと思います。まずは自分を大切にしないといけない、それができて人を助けるということを実感しました」
治療を続けながら職場を転々とし、およそ10年間かけて双極症を克服。現在は高齢者施設で看護師として勤務しています。
そして、同じように苦しんでいる人たちを助けたいと、プロフェッショナル心理カウンセラーの資格を取得し、今年5月「こころの回復相談室」を立ち上げました。

また、今年10月には自身の体験を記した本も出版。闘病中に自身が知りたかったことをはじめ、どのように双極性によるうつ症状を克服したかなどの情報をまとめていて、双極症に苦しむ人やその家族、周りの人の参考になればと話します。