イスラエルがパレスチナ自治区・ガザへの報復攻撃を続けるなか、中東諸国では抗議デモが広がっています。厳しい状況が続くなか、ハマスに両親を殺されたイスラエル人男性が私たちの取材に応じました。男性は涙ながらに「復讐は望まない」と訴えました。

イスラエル 遺体安置の施設には身元確認ができない遺体も

23ジャーナリスト 須賀川拓 記者:
ガザは元々人口200万人以上で、その8割以上が何らかの支援に頼らないと生きていけない厳しい状況にいるわけです。ラファの検問所が封鎖されていることによって、本来入るべき支援物資が入らない中での市民生活というのは、極めて厳しい状況に追い込まれているのではないかというふうに思っています。

一方、私は今、軍の施設の近くにきています。ハマスによって極めて残忍な形で殺害されたイスラエル市民は、あまりにも遺体の損傷が激しいため、未だに身元確認ができない状態でいます。なので冷蔵コンテナに安置されてるということです。

そういった厳しい状況にそれぞれいるわけなんですが、イスラエル側、パレスチナ側、お互いの処罰感情、そして憎悪の感情が高まっている今だからこそ、両親を殺害されたイスラエル人男性の言葉をぜひ聞いていただきたいと思います。

バイデン大統領「まずはトラック20台、検問所を通過させる」

バイデン大統領が帰路についた後も、攻撃が止むことはありませんでした。
バイデン大統領は帰りの機内で…

アメリカ バイデン大統領
「まずはトラック20台、検問所を通過させる」

エジプトのシシ大統領との電話会談で、パレスチナ自治区・ガザとエジプトの境界にある検問所を開くことで合意したと報告。ただし、支援物資の運び入れは20日以降。もしも、イスラム組織ハマスが物資を押収したり、配給を邪魔したりしたら支援は終わると説明しました。

国際社会はというと、なかなか一枚岩になれません。国連では緊急の安保理が開かれ、大規模な戦闘の「一時停止」を求める決議案が提出されましたが、常任理事国であるアメリカが拒否権を行使。決議案は否決されました。

ガザ保健当局の発表によると、ガザでの死者は3785人となり、イスラエル側の死者と合わせると5100人を超えました。

周辺の中東諸国ではイスラエル非難の声が止まりません。