半年にわたった大阪・関西万博が今夜閉幕します。最終日のきょうは徹夜で開場を待つ人など、名残りを惜しむ人が続々と詰めかけました。その一方で、パビリオンの工事費の未払い問題など課題も残されたままです。
午前4時すぎの大阪・夢洲。場外には「徹夜組」の姿がありました。警察によると、その数なんと1000人。
「ちょっと寝たけど眠いです」
「65回目。どうしたらいいんでしょうね、明日から」
そして迎えた開場のとき。
記者
「ゲートがオープンしました、みなさん走って続々と中に入っていきます」
本来は午前9時に開くゲートが、きょうは20分前倒しでオープンしました。
「朝来るときから泣きそうになって。寂しいです」
「29回目」
「私だけ30回目です」
「全制覇しているからどこ行くか迷っているところ」
大屋根リングではパビリオンのスタッフなどが手をつないでウェーブが披露されました。
会期を通して人気だったイタリアパビリオンは、開場後すぐに長蛇の列が。また、さまざまな国が集まるコモンズ館では、スタッフから来場者に向けたメッセージなどがぎっしりと記されていました。
「ロスです。推し活がきょうで最後で悲しい」
「いや、もう最高ですね。悲しいですけど、また次の万博が(日本で)生きているうちにあれば行きたい」
4月に始まった万博。来場者数は右肩上がりで増加し、きのうの時点で2529万人(速報値)を記録しました。グッズの販売も後押しし、運営収支は最大で280億円の黒字になる見通しだということです。
一方、課題も残されています。海外パビリオンの建設に関わった業者への工事費の未払い問題です。トラブルが起きているのは11の海外パビリオンにのぼり、一部が法廷闘争に発展。閉幕後はパビリオンの解体工事があり、再び未払いが起きないか懸念する声も上がっています。
様々な思いが交錯した万博もついに終わりの時。
吉村洋文 大阪府知事
「1万人の第九で始まった春の開幕日。真夏の大空を舞ったブルーインパルス。どれも一生忘れられない思い出になりました」
閉会式には、秋篠宮ご夫妻や石破総理も出席。2030年の開催国であるサウジアラビア・リヤドに博覧会国際事務局の旗が手渡されました。午後4時からは参加国の旗を持って会場内を行進するフラッグパレードも行われ、万博はいよいよフィナーレのときを迎えようとしています。
大阪関西万博会場最寄りの夢洲駅に続く東ゲート付近からお伝えしています。朝から取材を続けていますが、この時間になっても、まだ入場する人が途絶えません。そして、この時間帯になりますと、今後、列車が混雑することを予想して早めに帰路につく人が増えてきました。
現在の会場の様子をご覧いただきましょう。大屋根リングが夜空に浮かび上がっています。大屋根リングとパビリオンは、この時間になるとライトアップされていて、昼とは違った景色を見せてくれています。これが最後の万博、これが最後の夜です。
このあと午後6時半すぎからは、全ての人々に感謝の気持ちを込めた花火大会が開催される予定です。そのため午後6時現在、大屋根リングの上には大勢の人が集まっており、午後5時半ごろの時点で、安全確保のためリング上への入場が規制されました。
また、その後は午後7時すぎと8時半から、ウォータープラザで水上ショー「アオと夜の虹のパレード」が開催されます。その後、午後10時に、6か月間にわたった万博は幕を閉じます。
朝から取材をして、皆さんの万博への思いをひしひしと感じました。世界を一つにした万博が幕を閉じます。
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