復讐の連鎖を絶つには?状況と情報をしっかりと

小川彩佳キャスター:
マオズさんのような気持ちを抱えている方がいらっしゃるということを、私たちは心で受け止めなければならないですよね。

和平を望む心というのは、最も今、必要な心のありようだと思います。でもそうした復讐の連鎖を断ちたいという思いとは裏腹に、病院の爆撃以降、中東の各国では反イスラエルのデモも起きてしまっている。

この復讐の連鎖というのは絶つことは、難しいことなんでしょうか。

データサイエンティスト 宮田裕章 慶応大学医学部教授:
やはり家族が殺されると憎しみの感情を持つっていうのが人間ですし、私自身も同じ立場に置かれたとき、マオズさんのようにいられるかって正直自信がない部分はあります。

そして先ほどお話があったように、今回は両陣営の穏健派すら、憎しみを募らせているんですよね。そういった憎しみが渦巻いていたとき、冷静になって後で考えたらこれは間違いだって思うようなことが起きてしまうんですよね。だからこれが起きないようにするにはどうすればいいのか。やはり我々は間違いが起こる可能性があるので、状況をしっかり見ていかなくてはいけないっていうことがまず一つあるだろうと。

もう一つは情報ですよね。こういった中で報道がいわゆる扇情的に行われることによって、感情が爆発してしまう可能性がある。特に混乱したときに、正しい冷静な意見っていうのは、なかなか引用されないんですよね。どうしても「これはハマスの仕業か」とか、扇情的な報道が先行して、その誤解の中でフェイクニュースと入り混じって感情を作ってしまうことがあるので、報道する側も正しい情報、それがまだ状況はわからないというようなことであったとしても、正しさを心がけながら紡いでいく必要があるのかなというふうに思います。