“深刻”どうする?オーバーツーリズム対策

南波雅俊キャスター:
国内外に観光客が戻ってきて、インバウンドなども増えてきている中で大きな問題となっているのが「オーバーツーリズム」です。観光客の集中で、「交通への影響」「ごみ・騒音トラブル」「マナー違反」など、住んでいる皆さんの生活にも影響したり、観光客にとっても満足度が低下したりしていくのがオーバーツーリズムです。日本国内でも海外でも課題になっています。政府は大きく、2つの対策を考えています。

【1】過度の混雑やマナー違反への対応
【2】地方部への誘客

各地の対策を政府が費用面などで支援することも想定されています。

過度の混雑やマナー違反への対応

京都では、電車やバスが混雑しているところで、観光客の大きな荷物が市民の邪魔になってしまう状況が起きているということで、“手ぶら観光”の呼びかけを行っているそうです。スーツケースなどの荷物を一時預かりで600円、午前中に預けるとホテルに配送してくれるシステムもあります。料金は1000円です。呼びかけを行っているホームページがありますが、外国人観光客からは「知ってたら使いたかった」「聞いたことない」という声があります。2023年に始まったものなので、まだ周知が十分ではないところもあると思います。

新しい取り組みとして神奈川の箱根では、混雑緩和対策として、狭い道が多くて混雑しがちなので“AI”デジタルマップがあります。11月の中旬ごろに公開予定です。サイトを作り▼飲食店 ▼道路・駐車場 ▼タクシーの混雑状況や予測などの情報を出していき、空いている地域の飲食店などは、割引クーポンを配信することで、バランスよく行ってもらおうというものです。箱根町観光協会の担当者は「箱根での観光をより快適に楽しんでもらえれば」と話しています。

様々な取り組みについて、まだ課題もあるということで、航空・旅行アナリストの鳥海高太朗さんに周知していくために、どうしたらいいのかと聞くと「地域によって異なる取り組みを観光客は把握しきれないので、全国の情報を網羅した一つのプラットフォームを作っていくことが大事なのではないか」と話しています。

ホラン千秋キャスター:
何度も同じ国に行けるわけじゃないと考えると、空いている店に誘導したいけれども、旅行者としては「どうしてもその店に行きたい」というのがあると、人気店は変わらず、ずっと人気で行列みたいな状況を緩和するの難しいのかなと思いつつ、様々な取り組みが必要ということですよね。

萩谷麻衣子弁護士:
分散させることが重要ですね。場所とか時間とか季節とか。それを地域によって、どう発信していくかということも重要だし、コロナ前は事前予約が必要じゃなかったところも、事前予約じゃないと入れないとなってきていて、日本でも入場料とか事前予約とか必要になってくるのかなと思います。

井上貴博キャスター:
京都も最近ライブカメラで観光地を配信し、各自で混雑を判断して分散してくださいとやっていますけど、料金設定もテーマパークで広がりつつある“変動性”、空いている時は安くして、混んでるときは高くする。どんどん導入していけばいいと思います。そうすると分散する気がしますけどね。