平成29年(2017年)10月、南阿蘇村の夜峰山(よみねやま)を上空から撮影しました。

当時ニュースはこう伝えています。「阿蘇カルデラの中に生じた小さな火山の連なり、阿蘇中岳などの中央火口丘群の中で最も西側に位置する南阿蘇村の夜峰山。阿蘇を拓いた健磐龍命(たけいわたつのみこと)が一夜にして作ったという神話がその名の由来となっています。

去年の熊本地震では山肌に亀裂が入り土砂崩れも発生しました。頂上付近には南阿蘇に放送を届けるためのテレビやラジオの中継局がありましたが建物などの被害が大きく移設を余儀なくされました。その中腹にはあか牛たちが草を食む「池の窪園地(いけのくぼえんち)」が広がります。ここは草千里などと同じくかつて火口の底だった場所です。

山麓にたたずむのが南阿蘇を代表する老舗旅館「地獄温泉清風荘」です。地震で建物などが損壊しその2か月後の大雨では山の斜面から崩れ出た大量の土砂が施設に流れ込みました。間もなく公費解体にとりかかる予定でこの日はボランティアなどが家具を運び出したり、土砂を撤去したりしていました。復旧には数年かかるそうですが訪れた人たちを癒やしてきた名物「すずめの湯」は変わらず沸き続け、営業再開の日を静かに待っています。」