そして、事件が起きる3か月ほど前から、夫に叱責されるようになる。

(被告人質問)

――夫とのけんかはどのくらいの頻度で?
1日おきくらい。私は何も言い返さなかったので、一方的に怒鳴られた。


――どんなことを言われた?
「掃除や料理をしろ」「なぜ金ばかり使うのか」などと怒鳴られ「病院代が高いから」と話しても理解してもらえなかった。何より幼少期に叔父や叔母に怒られた記憶と重なり、恐怖で何も言い返すことができなかった。

■「残りの人生を妻と一緒に過ごす」被告に寄り添うと夫は約束したが…

「同居して更生に協力する」と夫は証言

夫は証人尋問で「自分の言動を反省している」と述べた。また、被告の保釈金を支払い、裁判が始まる2か月前に集合住宅で2人暮らしをしていることを明かしこう続けた。

「社会復帰できるよう見守っていく。これからが第3の人生だと思って、残りの人生を妻と一緒に過ごしていく」

一方で、裁判官から「今後、何か注意して過ごそうと思っているのか?」という問いに対し「・・・何も変えようとは思っていない」と答えた。