■夫婦関係に亀裂「ふと気付くとカミソリを握っていた」
子どもの中絶がきっかけで、被告の女は精神を病んでいく。
産婦人科の医師に「もう生きていたくない」と話し「産後うつ」と判断されたが、つらく悲しい気持ちを夫に打ち明けることはできなかった。
うつ病や双極性障害などの精神疾患を患い、次第に睡眠薬に依存するようになる。
夫に内緒で6つの病院に通ったことで通院費は膨らみ、夫に生活費として金を要求する日々が続いた。
気持ちが沈んだとき「ふと気付くとカミソリを握っていた」と話す被告の左手首にはリストカットの跡が複数残っている。
家事が手につかなくなり、食卓に並んでいた手料理は弁当や市販の総菜に代わっていった。