女は放火の罪で逮捕・起訴され、鹿児島地方裁判所で裁判が開かれた。

■事件当日何が? 女を放火に駆り立てた「夫のひと言」…「生きていてはいけない」ストッキングで自分の首を絞めた。

【被告人質問(抜粋)】 

――事件当日、何があった?
夫が仕事に出かける前、洗剤が切れていたので「お金ちょうだい」と言ったら「なぜ忙しい朝に金の話をするのか。金の使い方が荒い。他に男がいるんじゃないか?」そう言われ、1万円を手渡された。


――夫の言葉を聞いてどう思った?
忙しい朝ではなく夜に相談すればよかったと自分を責めた。不倫していると、いわれのない叱責を受け、自分のことを信用してくれていないと感じた。


――そのあと、どうした?
気分が沈んで会社に「休む」と連絡を入れた。「生きていてはいけない」と思い、ストッキングで自分の首を絞めた。

ハサミや包丁を取り出し自分の手首を傷つけたが死にきれず、火をつけて自殺しようと考えた。ファンヒーターが目に留まり、気が付いたら燃料の灯油をまいていた。



――灯油をどこにまいた?
布団と自分の服の左袖。はじめ左袖にライターで火をつけるとじわっと火がついた。よく覚えていないが、とっさに右手で消したと思う。そのあと布団の上にライターを投げると勢いよく火がついて、あっという間に燃え上がった。

■「どうして火がついたのか不思議」

被告の女(47)が投げたライターは、みずから吸っていたタバコ用の使い捨てタイプのもの。「手を離したら火は消えるのではないか?」という裁判官の質問に「どうして火がついたのか不思議。ライターを投げたあと反対方向を見ていたので詳しくはわからない」