おととし、福島を題材とした1冊の絵本が出版されました。作者は双葉町出身の女性で、本は自費出版されました。「本当の福島を知ってもらいたい」。国内外にふるさとの今を伝える女性の取り組みです。
「前は駅員さんがいたのですが、今は無人の駅になってしまっている。特別な場所ですよね」

町の姿が変わっても、青春時代に過ごした故郷の光景は、いまもその目に焼きついています。大塚淳子さん(56)。小学校から高校までの12年間を双葉町で過ごしました。
大塚さん「学校帰りに行っていたお菓子屋さんとか、お肉屋さんとかがずらーっと並んでいたところです」

実家は、福島第一原発からおよそ6キロ。事故当時、埼玉県にいた大塚さんは眠れない日々が続いたといいます。
大塚さん「一度だけ電話をして無事が確認できたんですね。そのあとは一切繋がらなくなってしまって」
その後、埼玉のスーパーで買い物をしていた際に、“ある違和感”を覚えました。
大塚さん「福島県産のお米とか野菜がとんでもない安い値段で売られている状況を見て、何かおかしいんじゃないかっていう思いに駆られた」