「夜も眠れない」住民たちの不安

あれから1か月。白水阿弥陀堂は文化庁の調査でも国宝としての価値は損なわれてはいないと判断され、10月1日に一般の拝観が再開。観光客の姿も見えました。しかし…。

水津邦治アナウンサー「白水阿弥陀堂のポンプ室です。水は私の身長よりも高い所まで上がりました」

浸水したお堂の床下には泥がたまり、今後の傷みが懸念されます。また、周辺の池にも土が流れ込み、コイやカメは流されてしまいました。完全な復旧には、かなりの期間がかかる見通しです。

赤土住職「保存工事・文化財保護法の中で、これを元通りにこれ以上傷つけないでどうやって残していくかという課題が山積みです」

県によると、今回の大雨被害は、川からあふれ出した水と山から流れる水の両方から流れてきた水で浸水被害が拡大したと想定しています。被害が大きかった内郷地区の一部は、ハザードマップの「浸水想定区域」に入っていませんでしたが、「宮川」については、区域図の作成を進めている途中でした。

県いわき建設事務所・小川航司さん「今後の課題としては、宮川の他にも中小河川があるので、その河川についても順次浸水想定区域を作り、ハザードマップに反映していく」

高萩石材店は、本格的な再開には時間がかかりますが、今は、残った機械を使って石を削る作業をしています。

高萩社長「夜も眠れないですよね、考えると。(午前)3時ごろになると考えてしまう、色々と」

一度は仕事をあきらめかけましたが、客は待ってくれているといいます。

高萩社長「従業員、息子、家族(のために)、みんなが助けてくれたので、心強かったです。その恩返しのためにも頑張ってやっていきたいと思います」

住民が元の暮らしを取り戻すには、まだ時間がかかりそうです。