音声も自動で生成できる時代になりましたが、喜入友浩キャスターがスポーツ実況ができるAIを取材しました。アナウンサーの仕事は淘汰されるのでしょうか。

AI実況「31.2秒を記録しました!いいタイムです!」

喜入友浩キャスター:
今やAIもニュースを読む時代になりました。

山本恵里伽キャスター:
そういった取り組みも始まってます。

喜入キャスター:
私たちアナウンサーの仕事は奪われてしまうのではないかと、少し心配しています。

山本キャスター:
そんな怖いことを言わないでください。

喜入キャスター:
ニュースだけではなくて、なんと、スポーツ実況もAIができるというんです。(アナウンサーの)ライバルを取材してきました。

2023年9月3日、栃木県の「モビリティリゾートもてぎ」で行われていたのは、モータースポーツのレース。

喜入キャスター
「かなりのスピードです。あっという間に車が通り過ぎていきます」

45台の車が出場し、約5キロのコースを、5時間で何周できるのかを競います。
そして、こうしたレースを楽しむために欠かせないのが“実況”の存在です。

喜入キャスター
「このレースの実況を、AIができるというんです。
ただ、見てください。この速さと、目まぐるしい展開です。
どの車がどの順位なのか、それを把握するのも簡単ではなさそうです」

車の最高時速は230キロを超え、順位の変動も激しいレース。
一体どのようにして、AIが実況するのでしょうか?

喜入キャスター
「実況するAIというのはどちらになりますか?」

実況AIを開発した志村和広さん
「あちらのカメラと、こちらのPCを使って、AIが実況を生成します」

喜入キャスター
カメラパソコンだけなんですね」

こちらは、都内の広告会社「電通」が開発している、スポーツ実況をリアルタイムで作り出すAI「VOICE WATCH」です。
まだ実用化に向けた実証実験の段階ということですが、AIによるスポーツ実況を聞いてみました。

AI実況
「3台の差は0秒!三つ巴のバトルを繰り広げながら最終ストレートへと帰ってくる!さぁ!DAISHIN MP最終コーナーを抜けて帰ってきた!レーシングエンジンのうなりが響きわたる!

いい走りを見せている!セクタータイムは31.2秒を記録しました!いいタイムです!

喜入キャスター
「今ちょっとテンションが上がりましたね。『いいタイムです!』と、気持ちを込めた実況がありました」

AI実況
「ここで順位を振り返ります。1番手はTKRI。4位からスタートした後、怒涛の追い上げを見せて現在、トップで快走を続けていきます。

2番手はapr デンソーレクサス。逆転を許したものの、まだまだ十分巻き返しを狙えるポジション」