「女性のタイプは?」 戸惑い、傷ついたインタビュー
小川キャスター:
デビューしてご自身のAAAとしての活動、アーティストとしての活動をなさる中で、新たに生まれてくる葛藤、難しさっていうのはどういうところに感じましたか。

與さん:
やっぱり日本の芸能界含め、ストレートであることが当たり前っていう感じの質問とかが普通に来るので、そこをどうやってあわせていけばいいんだろう。ファンの皆さんも傷つけたくないし、どうやっていけばいいのかなって。でも、ありがたいことにAAAって女性もいたので、あんまりそういう深い話にならないというか、お互いそこら辺は線を引いているというか、それは助かったなって思います、正直(笑)。
小川キャスター:
男女混合のメンバーだからこそ、そこはある程度フラットにというか。
與さん:
そうそう、そうです。男だけのグループだったら、多分もっと本当に居づらかったのかなって、今、思いますね。
小川キャスター:
確かに、今、お話伺ってて思うのは、こういったインタビューであっても、今は少しずつなくなってきましたけれども、「結婚は考えてますか」とか、「ガールフレンドいるんですか」とか、そういった言葉の端々ですよね。ストレートであることが当たり前のように。
與さん:
「女性のタイプはどんな人がタイプですか」とか聞かれると。もちろん女性の友達もたくさんいるし、女性が歩いていて、綺麗な人がいて、「ああ綺麗だな」って思うので。そこは多分、普通にストレートの男の人でも「この人、格好いいな」って多分みんな思う。(その)レベルで思うので、そういう感じでも話してましたけど。「どうしたらいいのかな」って、いつもインタビューやテレビの取材を受けてる時には思ってましたね。それで、何か自分もやっぱりちょっと傷つくというか、「ああ、何か言ってしまったな」とか。そこは正直ありましたね。
「アーティストとして、誰にも言えなかった」
小川キャスター:
葛藤の中で一番辛かったこと、自分でもこれは蓋をし続けるわけにはいかないかな、というふうにお感じになっていたことというのはありますか。
與さん:
一番辛かったことですね…。なかなか、やっぱり芸能界にいて、アーティストとしてAAAというグループもあったので、とにかく人に迷惑をかけたら駄目って、自分の中でずっと言い聞かせていたので。日本でスタッフさんにも誰にも言ってなかったし、家族にも言ったのは2年半前ぐらいなので。友達にも本当に言えなかったんですよね。もう誰にも言えなかったです。
本当に自分で「これはもう芸能人である限り、ファンのみんなが応援してくれる限り、僕はこれを言ったら駄目だ」って思っていて。そこがやっぱり「いつかばれるんじゃないかな」とか、そういうことを思いながら、ずっとやっぱり生きていくのは辛かったなって思います。やっぱり一人でもいいから言っとけばよかったなって、今。そうしたら、もうちょっと楽に生きて、もっといろんなことに集中できたのかなとは思います。
でも、それって今があるから思えてることだから、その時、やっぱり思えないんですよね。だから、LGBTQ+の葛藤しているみんなの気持ちが本当に僕はすごくわかるので。その人たちがちょっとでも「一人じゃないよ」とか、「一人じゃないんだよ」とか、僕のやったことによって、「僕とか私は一人じゃないんだ」っていうことをわかってくれてたら本当にやった甲斐があるなとは本当に思います。

















