7月にLGBTQの当事者、「ゲイ」であることを明らかにした音楽グループ「AAA(トリプルエー)」のメンバー・與真司郎(あたえ・しんじろう)さん(34)がカミングアウト後、初となるテレビインタビューに応じた。

セクシュアリティ公表に込めた思いや幼少期からの葛藤、芸能人のカミングアウトの難しさなど、今、感じていることをTBS「news23」の小川彩佳キャスターに語った。およそ1時間半に及んだ、與さんと小川キャスターのやりとりは以下。

「何でも聞いてください」

與さん:
もう何でも聞いてください(笑)

小川キャスター:
ありがとうございます! そう言っていただけると大変うれしいです。

與さん:
本当に何でも。みんな何か気を遣っちゃう感じがすごくあって。全然、本当に(気を遣う必要は)何もないので、何でも聞いてください。

小川キャスター:
どういうところでそういう風にお感じになるのかなと思いまして。

與さん:
何か、これ聞いたら駄目なのかなみたいな雰囲気とか。やっぱり、みんな気を遣ってくださるんですよね。「これ、嫌だったら答えなくていいですよ」とか、何かもう、ほぼもう乗り越えてるんで、そういうところ。

小川キャスター:
ありがたいことです。

カミングアウトから2か月

小川キャスター:
今、LA(アメリカ・ロサンゼルス)でどんな生活を送られていますか。

與さん:
実はですね、カミングアウトしたイベントの次の日にLAの方に戻ってきて。本当にもうバッシングを覚悟でカミングアウトをしたので、次の日の飛行機のチケットを取ってて。そこからこっちに帰ってきて、仕事ももちろんしてたんですけれど、カミングアウトのイベントのために本当に何か月もすごく時間をかけて、丁寧にちゃんとカミングアウトのイベントが成功するように、いろんなことを考えてやったので、ちょっと完全燃焼ではないですけれど、一旦、「はあ」ってなっちゃって。

いろんなことをやっぱり、考えることがすごくあって。やっぱりいろんな意見ももらいましたし、とにかく自分のメンタルヘルスにすごく気を遣いました。自分の時間を保って、ちょっと一人で旅行に行ってみたりだとか、一人でちょっと考えられない時とかは友達と会って、話を聞いてもらったりだとか。自分のメンタルヘルスを保とう、保とうと思って、そこに結構時間を費やしてました。

小川キャスター:
やはり2か月前の公表は、それだけ相当な覚悟で向き合ったわけですね。

與さん:
そうですね。もう本当にあんなに緊張することは多分、この人生であるかないかっていうぐらい本当に…。あまり自分で「頑張った」って言いたくないんですけれど、でも、あの日に向かって本当にいろいろ頑張りました。

小川キャスター:
一番、頑張ったのはどんなことですか。

與さん:
やっぱりとにかく18年間応援してくれているファンの皆さんをできるだけ傷つけないようにっていうのをすごく考えました。どうしたら、一番いい方法が取れるのだろうかと。でも、全くカミングアウトをしないという選択肢ももちろんあったと思うんですけれど、自分の中ではやっぱり、ずっと隠して芸能界をやっていくのは自分も辛いんじゃないかなっていう。どこかでやっぱり噂だったりとか、例えば週刊誌に撮られたりだとか。そこでファンの皆さんが、僕の口からじゃないところから聞くともっと悲しむんじゃないかなって、やっぱり思って。もうめちゃくちゃ怖かったですけれど、そこがやっぱり一番考えたところですかね。

小川キャスター:
タイミングと場所と、どういう空気の中でということと、あとはやはり、どういった言葉でというところもあったと思うんですけれども、最後の最後まで迷われた表現だったり、シチュエーションだったりっていうのはありますか。

與さん:
手紙を読ませていただいたんですけれど、もう本当に何か月かかったんだろうかっていう。1回書いては、また0に戻って。1回100まで持っていって、また10に戻って、また100にいって。本当にもう毎日、毎日、「やっぱりこれは良くないな」「これは人を傷つけてしまうかもな」とかっていうもので、やっぱりなかなか「これだ」っていうものが出来なくて、本当に時間がかかりました。