男性の証言… 異様な足音。それでも「取材スタッフが来た」と思った

証言台に立った2人目は男性社員。当時入社10年目で、マネージャーとして勤務していた。男性の周りに遮蔽板は設置されず、青葉被告は法廷に入ると目を見開き、証人男性をじっと見つめていた。

男性は当日、1人目の女性証人の背中合わせの席で事務作業にあたっていた。スタジオ2階に上がろうと階段へ向かったときに青葉被告に気づいたという。

皆がスリッパに履き替えて勤務するスタジオで、「ドスンドスン」と聞き慣れない異様な足音。それでもはじめは青葉被告を見て、「その日予定されていた取材スタッフが来た」と思ったそうだ。異変に気づいたのは叫び声が聞こえてきたからだった。

男性「室内が真っ白になるくらい眩しく光りました。自分のところまでガソリンの匂いと熱風が届きました」「3人のスタッフに引火しているのが見えました」
検察官「他に姿や声などで覚えていることはありますか」
男性「悲鳴が聞こえました。『大変なことが起こった』と思いました」「2階3階にいるスタッフに避難を促さなければと思い、すぐ階段室の扉を閉めて、2階に上がりました」