『ホームランを打って応援してくれた方々に感謝を返したい』
退院後からいまも上野さんが通っているのが、大阪市北区にある「J-Workout」。脊髄を損傷した人が再び立ち上がって歩くことを目指すトレーニングジムです。脊髄を損傷すると脳と体を行き来する神経(ネットワーク)が途絶え、手足や体などに障がいが現れます。
(J‐Workout 谷野雅紀代表)
「神経の再建・再教育というところがベースです。赤ちゃんが最初、例えば寝返りしたり四つんばいしたり膝立ちしたり歩く練習をしたり、そういった過程を脊髄損傷後にもう一度、損傷者の方にも順々に追いなおしていっていただくやり方がベースになっています」
上野さんも通い始めた時には補助がないと歩けませんでしたが、いまでは補助なしで縄跳びができるようになるまで回復しました。
(上野遥介さん)
「(Q初めてこのジムにきた時はどんな気持ちだった?)本当に希望というか。(きょうまで)あっという間ではなかったかもしれないです。トレーニングもそうですし、日常でどれだけ歩けるかというのは日々自分の挑戦なので。濃い一日一日を過ごせてきたかなと思いますね」
事故の後、向き合うことができなかった野球。上野さんは「もう一度とホームランを打ちたい」と思うようになりました。この挑戦は母校のバッターボックスに立ち、ピッチングマシーンからホームランを打つというものです。
(上野遥介さん)
「ホームランを打って、いままで応援してくれた方々に感謝を返したい。諦めない姿勢というか、夢を追うことの素晴らしさを伝えられたらいいなと思っています」