「真っ赤な状態で息絶えたと思うと耐えられない」追い打ちかけた“不誠実な対応”

Aさんの家族は悲しみに打ちひしがれた。妻は毎日泣き続け、一時心療内科に通うほどだった。
Aさん
「亡骸を見て、ちょっと恥ずかしながら大泣きしてしまいましたね…」
「これだけ何センチもの長い傷を負って、真っ赤な状態で最後は息絶えて死んだんだなと思うと、耐えられない思いです」
目を覆いたくなるような惨劇はなぜ起きたのか。真相を知ろうとトリマーだった男性に問い続けるが、説明は一貫しなかった。
治療時に獣医が傷の原因をたずねた際には、男性は“一時意識を失い、覚えていない”と説明。さらに、ティファニーの死から数か月後に設けられたAさん側との面談では、“犬が急に伏せの体勢を取った”という説明を展開した。
Aさん側の不信感の決定打となったのは、男性側が和解提案を蹴ったことだった。ビデオカメラの設置や店舗をガラス張りにするなどの再発防止策を取れば、葬儀などに関する経費以外は請求しない=慰謝料は求めないとしたAさん側の提案に、男性は応じなかったのである。