高齢ドライバーの多くが売り上げ不振に加え感染への不安で辞めていった

この事態を引き起こした原因のひとつが新型コロナウイルスの感染拡大だ。


(タクシー運転手)「コロナの時は散々だった、(売り上げ)ゼロで帰る日が多かった」
「客も減っていたコロナで、なり手がいない」
「うちでも(ドライバーが)半分くらいになったし、他社も全部減っている」

宮崎市でタクシー会社を経営する県タクシー協会の吉本悟朗会長は、高齢ドライバーの多くが売り上げ不振に加え、感染への不安で辞めていったと振り返る。


(宮崎県タクシー協会・吉本悟朗会長)「不特定多数のお客さんを乗せるということに対して高齢ドライバーほど警戒する、特に70代はたくさんいますから、70代後半の運転手などはこの機にやめようと」

さらに、近年、さまざまな業種で人材の奪い合いになるなか雇用を65歳まで延長する動きが加速。吉本会長は、これまで柱となっていた比較的年齢の高い人材も激減したと話す。


(宮崎県タクシー協会・吉本悟朗会長)「昔は定年後の受け皿になっていた。昔は60で定年になっていたので、タクシーに乗りたい、そこから2種免許を取得させてというのが一定数必ずあったが、それが今はまったくない」

九州運輸局によると、タクシーは、2002年に新規参入などの規制が緩和され、当時、県内では、ドライバーが3200人を超えていたが、コロナ禍の去年3月末時点で、1752人にまで減少した。


また、稼働できる車両の数もピーク時のおよそ半分まで減少している。

一方で、タクシーの需要は、新型コロナの5類移行で回復。
需要と供給のバランスが大きく崩れたため、タクシーがつかまらない状況になっているのだ。


(宮崎県タクシー協会・吉本悟朗会長)「しょっちゅうクレームですよ、何時に来てくれという予約を受けたとしても、それを確実に配車できないので、予約が受けられないという状況が最近続いている」