――ジャニーズ事務所は会見で、故ジャニー喜多川氏による過去の性加害を認めました。藤島ジュリー景子前社長は、「事務所としても個人としてもジャニー喜多川に性加害があったと認識している」と話しました。東山紀之新社長は「喜多川氏の性加害を認め、謝罪させていただきます」と、話しました。長年ジャニーズ問題の取材をしてきた、ジャーナリストの中村竜太郎さんはどんな印象を受けましたか。

中村竜太郎氏: 今回の会見の最大のポイントというのは、ジャニーズのジュリー前社長と新社長、皆さんが性加害の事実があったことを認めて謝罪したこと、それに尽きると思います。私は1999年、週刊文春の記者時代にジャニー喜多川氏の性加害を、キャンペーン取材しており、その間ずっとメリー氏、ジャニー氏の2人体制でジャニーズ事務所が運営していく中で、私たちはぶれずに「性加害があった」というふうに伝えていたんですけれども、ジャニーズ事務所は「やはり性加害は無かったと、ずっと主張し続けてきた」っていう過去があるわけなんです。そういう意味では今回ジャニーズ事務所が『会社としてそれを認めた』というのは、非常に大きな意味があったと思っています。

――23年前、中村さんは週刊文春の記者でジャニーズ問題をずっと指摘してきた、でもそれが世の中に伝わらなかった。それが今日、ジャニーズ事務所が認めた、この会見を聞いて、個人的にはどんな思いですか。

中村竜太郎氏: はい、個人的な部分で言うと、99年にキャンペーンをしまして、最終的に裁判まで行きまして、ジャニー喜多川氏の性加害が一部裁判所でも認められていた、にもかかわらずこれを世間に知らしめることができなかったこと、についてはすごく残念に思っていまして、それが世間に多く広まっていれば、ジャニー喜多川氏の性加害をストップできたのではないかという、そういう自責の念も私はあります。