村井知事の思惑、そして県民の反応は

村井知事は、4病院を再編して名取市と富谷市に新しい病院を「適正配置」することによってこれらの課題を解決できると強調しています。

宮城県 村井嘉浩知事:「宮城県全体の医療を考えたならば、やはりこのような考え方で、仙台赤十字病院さん、そして東北労災病院さんと協議に当たるほうが、県民の利益につながるとそう考えます」(2021年12月20日定例会見)

構想通り進めば「名取市」と「富谷市」に待望の新病院が建設されるため地元住民からは歓迎の声が聞かれます。一方、仙台市内からは救急医療などを担う拠点病院2か所が姿を消すことになり、周辺住民を中心に反対の声上がっています。適正配置とは言え、身近な病院が無くなるわけですから不安を訴えるのは当然と言えます。

さらに、県の構想では「県立精神医療センター」(名取市)が、再編に伴い仙台をまたいで30キロ以上北の「富谷市」に移転することになります。県立精神医療センターは、精神医療の基幹病院で、周辺にはクリニックや患者のケアを行う福祉施設が集まっています。精神医療センターだけが移転すれば、病院を頼りにしている患者が置き去りにされてしまう恐れがあり、こちらも患者や医療関係者から強い反対の声が上がっています。