こんなところでも金価格上昇の影響があります。

火葬を終えて収骨をした後に残った灰には、金などの希少な金属が含まれていることがあります。

例えば、亡くなった人の歯の治療で使っていたかぶせもの。銀歯には金を含む合金が使われています。また、ペースメーカーには希少なプラチナなども含まれています。

広島市は、昨年度からこういった希少な金属を回収して収益化する取り組みを始めました。最初の9か月間で回収された金はおよそ1.2キロ…。そのほかの金属も合わせた売却額の合計は1990万円にも上りました。
残った灰を有効活用する取り組みは、全国の政令市の多くで実施されていて、広島市は今年度も継続するとしています。

広島市 健康福祉局 環境衛生課 管理担当課長 舟原康博 さん
「広島市では回収できる貴金属をなるべく回収して市場に還元するべきだと考えている。市の収入として行政に役立てたい」
世界的に需要が高まる “安全資産の金” 。今後の相場について、エコリングの藤岡店長は、「しばらく高止まりが続くのではないか」と話していています。
◇ ◇ ◇

小林康秀 キャスター
金の価格について、おさらいしたいと思います。2000年代のはじめまでは1グラム当たり1000円程度だったんですけども、極端に上がり始めたのは、ここ数年だということです。2018年は5000円台(最高値5222円)なんですが、コロナ禍が本格化した2020年は7000円台(最高値7769円)になり、ついに2023年は1万105円。ウクライナ情勢もあって2021年以降も上昇を続けていると。
青山高治 キャスター
ほんのちょっとの量でも金は、あんなに価値があると。灰になる前に「おじいちゃんは金歯を入れいるからね」と孫とかに伝えた方がいいのかなとかいう気にもなります。

コメンテーター 平尾順平 さん(ひろしまジン大学 代表理事)
価格が上がっているのは世界情勢も影響しているという話。ある意味、不安定だからこそ、金が上がっていくことを考えると、喜ぶだけでなく、社会がそうやって動いていることも実感させます。